上甑島からは、株式会社ヒラミネの代表を務める平嶺亮さんの「アロエ」栽培の事例発表が行われました。これまで「薬用品」というイメージが強かったアロエから「食べる・飲む」食用・飲用として、甑島に古くから親しまれてきた国産アロエを使った商品開発と、その背景にある課題などの紹介がありました。
三代目の平嶺さんは、祖父が創業者として始めた土木事業と、二代目のお父さんが始めたアロエの栽培事業を後継しましたが、年々減少傾向にある土木の公共事業を危惧しており、アロエの栽培面積を拡大しながら加工事業を強化するために発送作業所と加工所を新設して、商品開発を進めています。
また、商品開発をするとともに海外商社や地域商社との連携を図り、売り場の確保も同時に進めてきました。商品開発を始めて以降、年々あちこちのバイヤー様からお声がけいただく機会が増えてきています。また、これまでは社内で考えていた会議を社外の地域商社やクリエイターらも含めて一緒に進めることで新たな商品も生まれてきました。現在は、「ヒラミネの木立甘酢」というキダチアロエを丸ごと発酵させて製造した甘酢を主力商品として全国にお届けしています。さらに、アロエを副原料としたクラフトビールも醸造中で、この夏には完成予定です。
まだまだ栽培方法など確立できていない部分もあり、人手不足も発生している状況とのこと。課題もありながらも、新社長として前に進めていっています。