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未来に在りたい種子島・屋久島を考えるアクティブミーティングレポート

2022.02.21PICKUPお知らせ

未来に在りたい種子島・屋久島を考えるアクティブミーティングレポート

こんにちは!リトラボ事務局です。

2021年12月11日(土)、

種子島の西之表市にて「未来に在りたい種子島・屋久島を考えるアクティブミーティング」 が開催されました。

種子島・屋久島は10年後、20年後にどんな島になって欲しいですか?

そんな問いから始まったアクティブミーティング。

“こんな島だったらいいな”、“こんな島であって欲しいな”を、これからの島の未来を支える方々とともに、理想の島の未来と今抱えている離島の課題を語り合いました。

このアクティブミーティングは、「鹿児島県令和3年度熊毛地域人材確保・育成推進事業」の元、主催:熊毛支庁総務企画課、運営:東シナ海の小さな島ブランド株式会社で実施されたものです。

この日は、種子島3市町・屋久島1町から、合わせて20人の参加者が集まりました。開催場所は、種子島西之表市にある、国指定有形文化財となっている遠藤家住宅。江戸時代末期に建てられ、当時の古い建築状況のまま、今もなおこの時代に引き継がれている、とても歴史の深い場所で、それぞれの島の将来を語り合う1日になりました。

まずは、お互いを知り合う時間。どの島や市町村から来たのか、普段どんなことをしているのか、参加者同士で自己紹介を行いました。はじめましての参加者同士も多く、どんな人たちが参加しているのか少しだけドキドキしている様子でした。

次に、山下賢太(ヤマシタケンタ)さんの講演です。

東シナ海の小さな島ブランド株式会社の代表取締役をはじめ、複数の会社経営や離島振興の様々なプロジェクトに取り組む山下賢太さんより、「桃太郎はなぜ鬼ヶ島に行ったか?課題を価値に変える集落づくり」と題して、講和をしていただきました。

今では数多くのプロジェクトを推進している山下さんですが、事業の始まりは、甑島での原体験がきっかけとなりました。初めは、耕作放棄地を再生しながらの米作り。地域の課題をいかに価値に変えていくのかという話を、これまで行ってきたプロジェクトの事例と、そしてこれからの島々の未来と自らに向けたメッセージと共に話してくれました。

参加者からの感想を一部抜粋してご紹介します。

◆何かを始める・変えるには、考える、行動する、発信することが重要と再認識出来ました。

◆手段が目的かしていることは多くあるかと思います。目的を見つめ直し、振り返ることが大事だと教わりました。ありがとうございました。

◆課題を乗り越える知恵と勇気を感じました。

それぞれの参加者が、同じ離島に暮らす自分ごとに照らし合わせて山下さんのお話を聞いており、胸が熱くなっている様子が会場の雰囲気からも伝わりました。

続いて、ワークショップを通して、「種子島と屋久島にある価値を紐解き、課題解決のアイデアを考えること」を目的に、島の未来を語り合いました。民間企業・行政・地域づくり団体など、様々な所属から参加し、立場の垣根を超えて、島の未来を考える時間を過ごしていきました。

ワークショップの主なテーマは3つ。

  • 種子島・屋久島にある価値を紐解く。
  • 種子島・屋久島の課題を整理する。
  • 島の課題を解決するために踏み出すアイデアを考える。

ファシリテーターは、山本美帆さんが担当。

それぞれのテーブルで出た島の価値や課題を一部抜粋します。

【価値】

海が綺麗世界遺産の島サーフィンのメッカ
自然が豊かロケットが発射される島登山が面白い
人が優しい植物の南限・北限が入り混じる猿鹿猪に会える
神秘的農業なんでも作れる歴史が深い島
住みやすい言葉がやさしい食べ物が美味しい
本土に近い離島星が綺麗水が綺麗

【課題】

人口が減少している貸してくれる空き家が少ない輸送コストがかかる
人間関係が近すぎる公共交通の衰退台風被害がある
物価が高い福祉施設が足りない商店街が寂れている
医療が不十分耕作放棄地が多い高齢化で独居老人が多い
後継ぎがいない教育環境の格差インターネット環境が不十分
発信力が弱い一次産業の衰退移住者と地元の人が交わる機会が少ない

地元の魅力を再発見するとともに、直面する多くの課題も出てきました。

移住定住の促進や地域活性化を考える上でも、様々な課題が複合的に関わり合っていることを前提に、各グループごとに取り組む課題を一つ選択し、それに向けた課題を解決するためのアイデアを制限時間内に考えてもらい、互いに発表し合いました。

各グループの発表では、

1、耕作放棄地の再生に対して自然放牧された豚肉ブランド化を進める案

2、商店街全体での活性化を考えるのではなく、通りごとにターゲット層を再編しながらのプロモーション企画や誘致を行う案

3、種子島と屋久島それぞれで競争して考えるのではなく、熊毛エリアでの視点を持ちながら連携して観光誘客を進める協創案

4、地域づくりの前に心も体もともに健康な地域づくりであるために、地域の食生活から考えていくこと、また心理的に安心して対話ができる場を作っていく多様性を受け入れていく案

など、そのどれもが、短い限られた時間の中でしたが、参加者同士で意見を伝え合い、島の未来を+(プラス)の方向に主体性を持って考える良い時間となりました。これから、ここで出たアイデアや、日頃感じている島の課題への解決策に向けて、関わる人たちで取り組んでいけるようにと願い、第一回目のアクティブミーティングは幕を閉じました。

”刻一行と、未来への時計の針は進んでいます。”

これからも、立場の垣根を超えて、島の未来を語り合える場を作り続けたいと思います。ご参加いただいた、種子島・屋久島の皆様、ありがとうございました!