こんにちは!リトラボ運営事務局です。
令和元年、鹿児島離島の人々と地域をつないで、新たな価値を創造する実践型コミュニティ「鹿児島離島文化経済圏」通称=リトラボがスタートしました。島々の未来に向かうための新たな帆を掲げることをコンセプトに、鹿児島離島の課題解決や地域間連携によるブランド化に向けたコミュニティには、総勢90名を超える人々が集まりました。
これまでのリトラボの取り組みを振り返ります。
1、「鹿児島離島文化経済圏」とは何か?
令和元年、新しい時代のはじまりに鹿児島離島の人々と地域をつないで、新たな価値を創造する実践型コミュニティ「鹿児島離島文化経済圏」通称=リトラボが設立されました。温帯から亜熱帯に渡る、南北600キロに広がる鹿児島県下27の有人離島。そこには、大小それぞれに異なるテーマや離島特有の課題に向き合いながら奮闘している人々が暮らしています。民間や行政、あらゆる垣根を越えたパートナーシップを育てながら、鹿児島離島の新たな価値を生み出していくプロジェクトに挑戦するコミュニティが船出しました。
2、セイルミーティング の開催 ー ようこそ、新しい島へ
2019年7月に開催されたセイルミーティング。
新しい挑戦や連携をしていく上で、人と人が出会うだけでなく、お互いの背景や苦悩を知り、できる限り同じ目線に立って寄り添うことが大切です。私たちは、そのはじまりに相応しいイベントとして、キックオフではなく、鹿児島離島との関わり方そのものを新しいイメージにしていきたい、また、島らしい帆を掲げていこう。そんな願いを込めて「セイルミーティング」と名づけました。また、その後、実際にお互いの島を訪問する鹿児島離島のフィールドワークを開催しました。
リトラボ発起人であり、東シナ海の小さな島ブランド株式会社(island company)の代表でもあるヤマシタの挨拶から始まりました。
「これからの離島は、『支援する側』『支援される側』といった構図ではなく、同じ目線に立ってより良い価値を創っていく同志であって欲しい。互いの知恵や経験、様々な知見を出し合って、一緒に、よりよい未来に向かっていきましょう。」
その声とともに、会場は一気に熱量が高まっていきます。その後は、株式会社Umari[本社:東京]の代表でありプロジェクトデザイナーの古田秘馬さんと合同会社奄美はなはなエール[本社:奄美大島]代表社員の泰山祐一さんより基調講演を頂きました。
古田秘馬さんは、東京・丸の内「丸の内朝大学」などの数多くの地域プロデュース・企業ブランディングなどを手がけてきました。農業実験レストラン「六本木農園」や香川県で讃岐うどん文化を伝える宿「UDON HOUSE」など都市と地域、日本と海外を繋ぐ仕組みづくりを行い、現在は地域や社会変革に取り組む企業に投資もしています。
これからの時代で大事になるのは「高付加価値」ではなく「他付加価値」です。高付加価値には限界があり、どれだけ良いりんごジュースでも1本1万円では売れません。では、どう違う価値に変えるのかを考えること。
古田秘馬さん
これからの鹿児島離島のブランドを作っていくにはどうすればいいのか。参加者の中には、離島で商品開発を行っている事業者も多く、多くの来場者が熱い眼差しで聞いていました。
泰山祐一さんは、両親の故郷でもある奄美大島へUターン後に「合同会社奄美はなはなエール」を創業し、地元農家さんの特産品を原料に地ビール作りをするなど地域づくりも積極的に行っています。
また、奄美はなはなエールでは、地ビール作りで奄美大島特産のたんかんやパッションフルーツ、黒糖を使用していますが、農家さんとのコミュニケーションを通して「地元農家は特産品を加工品だけに使ってもらうことはあまり求めていない」ことに着目し、農産物の営業も手伝い始めた取り組みなども紹介して頂きました。
その後は、鹿児島離島での先進的な取り組みを行っている3名の事例発表を行いました。なお、セイルミーティングやその後の取り組みについては、NPO法人離島経済新聞社(ritokei)が、特集ページを編集してくれています。3名の事例発表や、基調講演などの詳細については、是非ともritokeiの記事をチェックして見てください!
– セイルミーティングの取り組みの記事 –
①鹿児島離島文化経済圏レポ#01 有人離島人口は日本一。鹿児島の“島”を担う人々が結集するセイルミーティングへ
②鹿児島離島経済文化圏レポ #02「グローバルの対義語はコミュニティ」参加者が思わず頷いた島々が向かう新たな時代とは
③鹿児島離島文化経済圏レポ #03 宝島・種子島・竹島で活動する3人のリアルな体験と会場に飛び交う「同志」の想い
(離島経済新聞社の特集ページ記事より)
3、離島フィールドワーク ー種子島・三島村(硫黄島)編ー
セイルミーティングを終えた私たちは、互いの暮らす島々を実際に訪ねていくフィールドワークを実施しました。ただし、リトラボのフィールドワークは、よくある物見遊山的な視察ツアーではありません。これまでの地域の取り組みを踏まえた上で、過去にどんなことをしてきたのかよりも、未来に対してどんな挑戦をしようとしているのかを表現する、そんな1泊2日のプレゼンテーションの場となりました。
これまでの視察やフィールドワークの多くが、観光事例や地域づくりの手法などを伝える過去の歴史や実績を見せていくものでしたが、それに対して私たちは、それぞれの地域やそこで生きる人々が何を大切にし、「未来」に対して何をつくり始めようとしているのかを共有し、同じ目線で考え、共創していく姿勢を大切にしてます。
競争ではなく、共創していく未来を。
誰も答えを持っていないということ。は、関わりたいとする人々にとっての余白でもあります。その余白という関わりしろを通じて、新しい島の価値を作り出すことができることを信じて、これからもこの取り組みを進めていきます。なお、各フィールドワークの詳細も、ritokei公式WEBサイトにてまとめられていますので、そちらもご覧ください。
離島トレセンフィールドワークのダイジェスト記事 – 種子島編-
①鹿児島離島文化経済圏レポ #04 島を支える当事者たちが、地域づくりを未来に進める「種子島トレセン」
②鹿児島離島文化経済圏レポ#05「自分は何をしたいのか?」「何を実現したいのか?」夜通し語られた島の未来
③鹿児島離島文化経済圏レポ#06 補助金を使わない理由と、波を求めて集まる人のコミュニティ
④鹿児島離島文化経済圏レポ#07 種子島トレセンで芽吹いた「熱量の高いチーム」
(離島経済新聞社の特集ページ記事より)
離島トレセンフィールドワークのダイジェスト記事 – 三島村 硫黄島編-
①鹿児島離島文化経済圏レポ #08 島の未来を背負う覚悟を問う「硫黄島トレセン」へ
②鹿児島離島文化経済圏レポ #09 居住地を超えた「人と人とのつながり」がカギを握る島の可能性
(離島経済新聞社の特集ページ記事より)
その他、鹿児島離島フィールドワークについてのダイジェスト動画もそれぞれ作成していますので、フィールドワークの熱気など、リンク先のYoutube動画でご覧ください。受け入れに当たって、種子島チーム、三島村チーム共に、初めての事で、大変だったと思います。
本当にお疲れ様でした。
– 離島トレセンフィールドワークのダイジェスト動画 –
【離島トレセンフィールドワーク -総集編-】
これまでの歴史や実績を見せていく観光や地域づくりの在り方ではなく、それぞれの地域が「未来」に対して何をつくりはじめているのか。県や自治体、企業・団体などの見えない垣根を超えて、それぞれの取り組みに対して、一人一人ができることは何だろう。
鹿児島離島文化経済圏、まだまだ面白くなっていく予感がします。